11月18日放送のがっちりマンデー!!では「全国各地で大活躍!がっちり!!地方乗り物」を特集!
鉄道と言えばJR、飛行機と言えばJALやANA、そんなメジャーな乗り物だけが交通機関じゃない!という事で地方にある小さくても地域の人だけが知る儲かり乗り物を紹介してくれました。
目次
ひたちなか海浜鉄道
JR常磐線の勝田駅から那珂湊駅を経由して、ひたち海浜公園が近い終点の阿字ヶ浦まで続いている単線の地方ローカル線。さぞや利用客もすくないであろうと思ったら、予想に反して通学する高校生で通学ラッシュが起きています。このひたちなか海浜鉄道は地方ローカル線としては珍しく、ここ10年間で利用客数を30万人も増やしている儲かり路線だそうです。
年間通学定期券
10年前、慢性的な赤字経営を立て直すために、ひたちなか海浜鉄道の吉田社長が思いついたのは通学する高校生の利用客を増やす作戦。沿線には高校が2つありますが、鉄道は不便という事で自転車や親の車で通う学生がほとんどだったそうです。そこで発売したのが「年間通学定期」、高校生であれば120日分の運賃を払えば1年間利用できると言う定期券です。これで学生の利用客が増えると思いましたが、それほど学生の利用客は増えなかったそうです。
40分に1本の電車
そもそもひたちなか海浜鉄道は単線、線路の構造上40分に1本しか電車が走る事ができませんでした。それまで電車がすれ違うことが出来るのは始発駅の勝田駅から往復34分かかる那珂湊駅のみだったのがその理由、そこで吉田社長は思い切った策に出ました。その策とは金上駅の改修、那珂湊駅と同様に線路を増設し電車がすれ違えるポイントを作る事によって20分に1本電車が走れるように改修を行いました、これによって利用する学生が大幅に増えそれまでの年間600万円の赤字から700万円の黒字化に成功しました。
さらなる儲かり戦略も
現在ひたちなか海浜鉄道では総工費約78億円のビックプロジェクトが進行中、その内容はロック・イン・ジャパンなどが開催されるひたち海浜公園まで線路を延ばすという計画。年間来場者が200万人を超えるひたち海浜公園まで線路を延ばして、さらなる黒字化を目指しているそうです。
昨日に引き続きひたちなか海浜鉄道で勝田から乗車。なお水戸からだと券売機4つ使っても長蛇の列の模様。 pic.twitter.com/C4lu9BDVUg
— 万世六兵太 (@roppeita_mansei) 2018年11月18日
しなの鉄道
軽井沢から妙高高原をつなぐ長野のローカル線、1997年に北陸新幹線が開通したのと同時にJRから経営を引き継いだ地方ローカル線。しなの鉄道の年間売上は20年前の26億円に対して去年は45億円、売上が上がった理由は2年前に就任した玉木新社長の戦略によるものでした。
動く博物館計画
しなの鉄道で使われている車両は旧国鉄時代の1963年から製造された115系、現在ではほとんど見ることができない鉄道ファンにとってはプレミア化している車両です。そんなただでさえ珍しい車両を60年前に横須賀線を走っていた横須賀色や70円前にJR東海道線を走っていた湘南色に塗り替え、多くの鉄道ファンを取り込む作戦に出ました。しかも去年はちょうど車検のタイミング、電車は3年に1度の車検で車体を塗り直さなければならないので今のカラーを塗るのも昔のカラーを塗るのもコストは同じです。こうして全くコストをかけずに1年間で約10万人の乗客数をアップさせる事に成功しました。
軽井沢駅の改修
さらに玉木新社長がめをつけたのが年間約840万人の観光客が訪れる軽井沢、しなの鉄道を利用する人はそのうち約3%しかいなかったそうです。そこで手をつけたのが「駅ナカ」の充実、余っていた駅のホームのスペースに子どもが遊べる広場を新設、さらに駅の3階部分に地元の商業施設をオープンさせました。この戦略で乗客数は半年間でさらに3万人アップしたそうです。
2018/11/17
しなの鉄道 S16+S26編成
なかなか撮影する機会がなく、ようやくスカ色コンビを撮影できました。 pic.twitter.com/OER9oKqzmn— KAZU かず (@KAZUHAN777) 2018年11月17日
eCOM-8
群馬県桐生市の駅前を周回している無料バスが「eCOM-8」、他にも温泉街の観光客の送迎や山間部に住むお年寄りの送迎に使われていますが、地方自治体のサービスの一環として無料で乗車が可能です。最高速度が19キロのeCOM-8、今までに作られた数は20台で1台1,600万円というこのバスが売れている理由とは何なのでしょうか?
→eCOM-8(低速電動コミュニティビークル) | 製品 | 株式会社 シンクトゥギャザー
電気バスで国から補助金が出る
eCOM-8は電気自動車で約8時間の充電で40km走行する事が可能です、家庭用のコンセントで充電が可能なのでメンテナンスもかなり楽ですね。さらにメリットなのが国からの補助金、ガソリンを使わない環境に優しいバスという事で国から多額の補助金がもらえます。実際に桐生市では地域創生循環型資金という事で5,000万円もの補助金が出たそうです。
最高時速19キロは作る方に都合が良い
eCOM-8の最高速度が19キロの理由は作る側にメリットがあるからです、国のルールで最高時速19キロ以下の車には衝突試験の必要がありませんし、シートベルトや窓ガラスが無くても良いという事になっています。最高時速19キロと聞くと普通のバスと比べてかなり遅いと思いますが、市街地を走る上では到着時間にそれほど差は出ないそうです。実際に桐生駅前の約5キロの周回ルートを普通の車とeCOM-8で走ってみた所、普通の車で7分23秒、eCOM-8は8分10秒と、47秒の差しか生まれませんでした。現在20台の追加発注があるそうなのでまだまだ儲かりそうな電気バスです。
【番外編】シンクトゥギャザー eCOM-8
観光地での運用に適した低速電動コミュニティビークル。ホイールインモーターを8輪全てに搭載することで十分な駆動力を得ている。家庭用100V電源で充電でき、予備バッテリーや太陽光パネルも装備 pic.twitter.com/xaESr7TyVD— 魅力溢れる原付二種紹介botのような何か (@botgurungasuto) 2018年11月14日
感想&まとめ
地方のローカル線といえば観光列車として再生するのが一般的な戦略ですが、今回紹介されたローカル線は「通学」と「博物館」という異なるアプローチで再生したローカル線でした。赤字経営が続くローカル線の行く先は廃線という道、廃線になってしまえば周辺地域に住む人たちの足も無くなり不便な生活を強いられるようになってしまいます。色々なアイディアでローカル線を盛り上げてほしいですね♪