8月11日放送の世界一受けたい授業では「30年以上子どもに大人気!ぼくらの七日間戦争」を特集。
小学生がえらぶ!こどもの本総選挙には最近出版された本ばかりランクインしていますが、その中で8位にランクインしている作品が「僕らの七日間戦争」です。
出版されたのは1985年、当時社会問題となっていた体罰や管理教育を描いた作品で1988年には宮沢りえさんが初出演した映画でも話題になりました。
そんな「ぼくらの七日間戦争」がなぜ30年以上読み続けられているのか?を詳しく解説してくれました。
僕らの七日間戦争は子ども向けに書かれた本ではない
作者の宗田理さんによると、この本は子供向けではなく親世代に向けて書いたものだといいます。
1960年代当時は学生運動を盛んにやっていた親世代が、大人になって自分の子どもが中学に入ると管理教育や勉強を押し付ける。
自分達は自由だったのに子供たちには管理教育を押し付ける大人達に向けて書いた本だったそうです。
『ぼくらの七日間戦争』の原作小説「ぼくら」シリーズは数多く出版され「ぼくらの秘島探検隊」をもとに『ぼくらの七日間戦争2』も制作されたことがあるんですよ pic.twitter.com/bvUtDgk9fF
— siphon (@Siphon_Drip) 2018年8月11日
子ども達の共感を得た理由
それは子どもの知恵と勇気、自分達を連れ戻しに来た大人を子どもたちは様々な工夫とアイデアで追い返します。
映画でも色々なイタズラで大人を追い返すシーンがありましたが、原作ではテレビ局を呼んで全国に向けて訴えかけるという行動もあったそうです。
力では絶対にかなわない大人たちを、知恵と工夫で追い払う爽快さに子ども達が共感を得たのかも知れません。
作者の壮絶な戦争体験
作者である宗田さんは昭和3年東京生まれ、8歳の時に愛知県に移り住みました。
徐々に周りの友達を打ち解けていった宗田さんでしたが、9歳の時に日中戦争が勃発、16歳の時には工場での強制労働に駆り出されました。
「国のためにお前たちはしななきゃいけない」、そう言っていた大人たちが戦争が終わった途端に平和が良いと言っている、そんな大人たちに対する不信感や反抗心がこの作品の根底にあるようです。
小説に登場した読者
ある日ファンレターに目を通していた宗田さん、その中の一通のファンレターに目が止まりました。
差出人は白血病に苦しんでいた当時高校一年生だった中島さん、すてきな恋愛がしたいという中島さんの願いを叶えるために宗田さんは自分の小説に中島さんを登場させました。
中島さんが好きだった小説の主人公と恋愛する人物として登場させて、中島さんを励ましたそうです。
「ぼくらの七日間戦争」『ぼくらシリーズ』の主人公は菊地英治くん
「すてきな恋愛をしたい」と願う白血病を患ったファンのために作品に登場させたという pic.twitter.com/7o2UL9Lh4M
— sora_sh358☆Life will never be the same💫 (@Halo358) 2018年8月11日
映画に出演した事で人生が変わった俳優
映画の中で秀才役として出演した大沢健さんは、現在多くのドラマに出演している俳優さんです。
子どもの頃は引っ込み思案だった大沢さんでしたが、監督にどこに立てこもりたいと聞かれた時に「国会議事堂」とアイデアを出したそうです。
そのアイデアは映画のラストシーンに採用されたのですが、初めて自分の意見を尊重してくれる場面にあったことで自分の気持ちを他人に伝える勇気が生まれたそうです。
感想&まとめ
懐かしいですね、僕らの七日間戦争。当時は私も登場人物の中学生と同世代だったので大人を追い払う姿が楽しかった記憶があります。
作者の宗田さんによると「人間は大人になると悪くなる」、確かに大人になるにつれてだんだん身勝手になってしまっているのかも知れませんね、身につまされる一言でした。
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