8月11日放送の世界一受けたい授業では「大ヒット映画に隠された細田守流魔法の表現法」を特集。
「時をかける少女」、「サマーウォーズ」、「おおかみこどもの雨と雪」、「バケモノの子」そして最新作の「未来のミライ」と、数多くの大ヒットアニメ映画を手がけてきた細田守監督。
宮崎駿監督に憧れて23歳でスタジオジブリの採用試験を受験しましたが不合格、間もなくして宮崎駿監督から直筆の手紙が送られてきたました。
「君のような人間をジブリに入れるとかえって君の才能を削ぐと考えて入れるのをやめた」、宮崎速雄監督は細田守監督の才能を見抜きあえて不合格にしたそうです。
目次
心をつかむ!細田守流魔法の表現法
全ての作品に入道雲
細田監督の作品に必ず出てくるのが「入道雲」。
主人公が成長する様子と入道雲の雄大な姿を重ねて、成長というテーマを象徴的に表現しています。
時をかける少女のラストシーンでは、入道雲を大きく描く事で主人公の成長と未来を表現しています。
人物の影を描かない
一般的なアニメではより立体的に表現するために人物の影を描くのが常識ですが、細田監督の作品では人物に影はありません。
これは浮世絵や絵巻物などの伝統的な日本絵画と同じ手法、影が無くても活き活きと人物を描けるこんな素晴らしい文化があるのになぜ影をつける必要があるのかを疑問に思い、この表現方法にたどり着いたそうです。
さらに人物の影を描く手間が減る分、動きや背景に時間をかけることが出来るので作品全体のクオリティも上がります。
実際にある場所や看板を必ず描く
作品のリアリティーを感じてもらうために実際の街の風景や看板を忠実に描写、これは日常の感覚を作品に反映させたいという細田監督のこだわりから生まれています。
映画に出てくる背景は実際に街を取材して忠実に再現したもので、バケモノの子では渋谷の街を完全再現、スクランブル交差点や路地裏の落書きまでも忠実に再現しています。
本物の衣装を作る
細田監督の作品ではアニメのキャラクターの衣装を本物のスタイリストが手がけます。
実際に衣装を作る事でイメージが浮かべやすく、スタッフが実際に着て動きをスケッチする事もあるそうです。
また映画の効果音にも本物を使います、バケモノの子のスイカを使った特訓のシーンでは実際のスイカを使って効果音を作り、戦闘シーンでも刃物や日本刀などを使ってリアルな音を作っています。
監督自身の家族の絆が映画に
「サマーウォーズ」は奥さんの実家に集まっていた多くの親戚達の姿を見たのが作品を作るキッカケ、そしてサマーウォーズの公開直前に実母が他界、亡くなった母への感謝の気持ちを描いたのが「おおかみこどもの雨と雪」です。
また初めての子どもが生まれた時に、実の親だけではなく沢山の人の影響尾を受けてたくましく育ってほしいと思って作ったのが「バケモノの子」、そして5歳になる子どもが言った「夢で大きくなった妹に会った」という言葉がキッカケで最新作「未来のミライ」が出来たそうです。
今までの作品は細田監督自身が体験した家族の実体験から生まれているとの事でした。
感想&まとめ
数々の大ヒット作品を世に送り出し海外でも評価が高い細田監督、宮崎駿監督に才能を認められるほどの世界観と表現方法が高い評価を得る理由なのかも知れません。
人物の影の部分で語っていた常識を疑う所からはじめないといけないという言葉がとても印象的でした、人と同じ事をしていては新しいモノは何も生まれないという事ですね♪
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