2月12日放送の「世界まる見え!テレビ特捜部」では2000もの島でできた高級リゾートとしても名高いモルディブ共和国存続の危機を紹介!地球温暖化による海面上昇で水没が進むモルディブを救った若き元大統領の姿を紹介してくれました。
目次
モハメド・ナシード元大統領
モルディブ共和国の海抜の平均はなんと約1.5メートル、これ以上地球温暖化による海面上昇が続けば近い将来には国が水没してしまうという存続の危機に瀕しています。この危機を救うために奮闘したのがモハメド・ナシード元大統領、地球温暖化を防ぐために小さな国の大統領が大国相手に奮闘しました。
専門家の予想以上に進む海面上昇
就任した直後にナシード大統領はイギリスのオックスフォードに渡り、地球温暖化による海面上昇について専門家の意見を聞きました。専門家によると予想していたよりも遥かに早いスピードで温暖化が進んでおり、このままでは2100年には海面が現在より2メートル上昇してしまうとの事が判明。平均海抜が1.5メートルしかないモルディブはこのままでは海に沈んでしまいます。
地球温暖化を防ぐには二酸化炭素の削減
専門家によると地球温暖化の原因は中国やインドなどの大国による二酸化炭素排出が主な原因、空気中の二酸化炭素量387ppm(2009年時点)を350ppmまで減らさないと地球温暖化による海面上昇は避けられないとの事でした。この話を聞いたナシード大統領は毎年末に行われるCOP15で二酸化炭素削減のための各国の合意を得る事を目指します。
COP15(第15回気候変動枠組条約締約国会議)
2009年12月に行われた192ヵ国の首脳クラスが地球温暖化防止について話し合う会議です、最終日に各国の合意を得て合意文書と呼ばれるものが作成されます。しかし各国の合意を得る事は困難で、COP3で合意された京都議定書の場合もアメリカは経済活動の妨げになると言う理由で合意しませんでした。
モルディブの主張は「二酸化炭素を350ppmまで削減」、「気温の上昇を1.5度に抑える」というものでしたが、初日に行った中国との直接交渉も成果があげられなかった事で各国の合意を得る事に暗雲が立ち込めてきました。そして2日目にナシード大統領は大きな決断を行います、二酸化炭素削減の数値目標であった350ppmを撤回してでもとりあえず二酸化炭素削減のために合意を取る事を最優先としたのです。
しかし最終日になっても合意が得られるような状況にはなりませんでした、協議は夜まで続きましたが一向に合意する気配がありません。そして最終日の午前1時、ナシード大統領のスピーチがはじまったのです。
ナシード大統領のスピーチ
「モルディブは発展を続ける途上国の皆さんに友人として助けを求めています、どうかこの二酸化炭素削減の合意文書に合意してください。我が国が生き残るにはこの合意文書が必要なのです、そして我が国以外にもこの合意を必要としている国はたくさんあります。この文書には多くの人々の命がかかっているんです、
友人である皆さんに心よりお願いします、合意してください。」
ついに合意へ
そしてスピーチから3時間たった午前4時、ついに協議が終了し合意文書が決定されました。数値目標である350ppmは文書に載せる事はできませんでしたが、中国・アメリカ・インドという大国が歴史上初めて二酸化炭素の排出に関する合意を行った歴史的にも貴重な文書となりました。沈みゆく国を救おうとした小さな国の大統領が世界の大国相手に勝ち取った大きな勝利でした。
感想&まとめ
小さな島々からなるモルディブ共和国の元大統領モハメド・ナシード氏の自国を救おうとする強い熱意が、COP15という大舞台で難しい合意を得る事に繋がったという事ですかね。地球温暖化の問題が一時期多く問題に上がったのにはこういう背景があったんですね、各国の代表の方にはCOPという会議を行う意味を考えて自国の利益だけでなく地球規模での自然保護を考えて欲しいものですね。