12月21日放送の「プレバト!!」では人気企画、「俳句の才能査定ランキング」を公開!今回は年の瀬という事で「年末のアメ横」の写真を見て一句というテーマで競います。しかも今回の戦いはハイレベル!最後は特待生2級をかけた三遊亭円楽師匠の句も紹介されました、果たして昇級する事は出来たのでしょうか?
目次
第4位 A.B.C-Z 塚田僚一さん 53点(凡人)
「タラバガニ 持たされ人の 波愚痴る」
塚田さんいわく…
買い物に行ってタラバガニを持たされて、タラバガニということで楽しい宴が待っているが人の波にもまれて愚痴っている様子です。
夏井先生の添削は…
ちゃんと日本語が通じている事自体が嬉しい。「愚痴る」という部分がイマイチ、「持たされ」という部分で嫌な部分は表れている。少ない文字の中に同じ感情がかぶってしまうのは無駄遣いです。
問題点は中の句で想うという文字はいりません、白雪と赤い襦袢で言いたいことは伝わります。こうする事で映像化する事が可能です。
【添削後】
「タラバガニ 持たされ人の 波を行く」
第3位 高城けいさん 55点(凡人)
「年の瀬の 香香(シャンシャン)手じめ しゃがれ声」
高城さんいわく…
にぎわうアメ横のお買い物をする人たちの様子と買い物をした人にするお店の手じめ、そして今年生まれたパンダの香香(シャンシャン)をかけてみました。
夏井先生の添削は…
音の調べは楽しいが香香(シャンシャン)がわかりにくい人もいる。香香(シャンシャン)の言葉が無くなると作者の意図がなくなってしまうので残す事にして、「手じめ」という言葉を最初に持ってくることによって映像を描き後半は音で楽しむ方がイメージがつきやすいでしょう
【添削後】
「年の瀬の 手じめ香香(シャンシャン) しゃがれ声」
第2位 光浦康子さん 60点(凡人)
「数の子を 砕く娘は 四十六(しじゅうろく)」
光浦さんいわく…
数の子は子孫繁栄の象徴、その数の子を奥歯でバリバリ食べている娘を見て「もうダメだな」と思った親の目線で詠んだ句です。
夏井先生の添削は…
本当に発想が面白い!アメ横→買い物→年用意→数の子と連想していった発想が素晴らしいです。滑稽味も俳句の持ち味の一つ、格調高い句を書く事だけが俳句ではないと言う事です。「砕く」よりも「噛み砕く」と書いた方がわかりやすい、四十六の娘を強調した方が面白い。
【添削後】
「娘(こ)は四十六(しじゅうろく) 数の子を 噛み砕く」
第1位 泉谷しげるさん 70点(才能アリ)
「暮れる年 あいさつかねて 買い出しに」
泉谷さんいわく…
自分も良くアメ横に行っていたが必ず「よいお年を」というあいさつが気持ち良いので詠んだ句です。
夏井先生の添削は…
最下位と同じ思いを詠んだ句ですが、作者の思いと動作がコンパクトに書かれている句です。ちょっともったいない所は語順、あいさつを最初に持ってくるとより良い句になります。
【添削後】
「あいさつを かねて買い出し 年の市」
最下位 かまいたち 山内健司さん 48点(凡人)
「行く年に 別れを告げに アメ横へ」
山内さんいわく…
シンプルに年末という事でアメ横に行くことが年末と思っている人の事を詠んだ一句です。
夏井先生の添削は…
要らない言葉が多い、「行く年」で別れという言葉も表現できます。「行く年」と「アメ横」しか使えない俳句です、中の句を何を買うつもりもなくという言葉に変える事で作者の意図が伝わります。
【添削後】
「行く年や 何買うでなく アメ横へ」
特待生3級から2級への試験
三遊亭円楽師匠の渾身の一作です。
「塩鮭の 喋るが如き 売り子かな」
円楽師匠いわく…
塩鮭が喋っているようなまるで腹話術のようなおじさんの声を聴いて、本当に鮭が喋っていたら面白いだろうなという風景を描いた句です。
夏井先生の添削は…
昇段のポイントとなる部分は「如きの是非」、「如き」という言葉は直喩(ちょくゆ)という働きをして2つの事を直接に比較して示す働きをします。この句の場合は上手く「如く」を使えていて全体的に季節感が出ています。見事特待生2級に昇格です!
添削する所はありません!
感想&まとめ
今回は最下位でも「凡人」というちょっとレベルの高い回でした、夏井先生によると上位の順位もそんなに差がなさそうだったので誰でも1位になれるチャンスがあったそうです。こうやって見ると俳句の世界はかなり奥深いですね、送り仮名ひとつ変えるだけで全体の印象がガラリと変わってしまう事もあります。大人の趣味としてはちょっと奥深くて面白いですね♪