12月6日放送の「ガッテン!」では「認知症を防ぐ聴力チェック」を特集!最近の研究で明らかになった「難聴の人は認知症になりやすい」を詳しく解説。一見認知症とは関係ないとも思える聴力が認知症に及ぼす影響と対策法を詳しく紹介してくれました!
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最近の家電はお知らせ音が変わっている!
番組では10年ほど前の体温計と最新の体温計の音の差を比較、昔の体温計は高い音で測り終わりを知らせてくれるのに対して最新の体温計は低い周波数の音から高い周波数の音まで音域が広い音を出すことが出来ます。音が変わった理由としては「高齢者でも聞き取れるような音」にした事、お知らせ音のガイドラインが変わったことによって誰でも聞こえるように高音から低音まで幅がある音になりました。
聴力に一番大切なのは鼓膜の毛
人間の耳にある鼓膜には細かい毛が無数に生えています、毛が生えている細胞を「有毛細胞(ゆうもうさいぼう)」と呼びその数は1万5千~2万個も存在しています。この細かい毛が音を判断して脳に送る役割をしているのですが、最近ではこの毛が抜け落ちてしまっている方が多くなりつつあるそうです。
その主な原因としては普段からうるさい場所に居たり、ヘッドホンで大音量の音楽を聴いていると鼓膜の毛にダメージが与えられてどんどん毛が抜け落ちてしまいます。鼓膜には外側から内側にかけて毛が生えているのですが、高い音を担当する外側の毛ほどダメージを受けやすい傾向があります。一度抜けてしまった毛は二度と生えませんから普段の生活習慣が大事だという事がわかります。
その他の原因として「鼓膜の毛が抜けやすい体質」という事が挙げられます、歳を取るにつれて髪の毛が抜けていくように鼓膜の毛も抜けやすい体質の人とそうでない体質の方が存在します。こればかりは対処のしようが無いですが、鼓膜の毛が抜けやすい体質の方が普段からヘッドホンなどで大きな音を聞いていればさらに難聴を引き起こす原因にはなると思います。
アナタの鼓膜の毛は大丈夫!?難聴チェック
番組内で集めた60代以上である50人の方達に難聴のチェックをしてもらいます。その方法とは劇団員の方に「ペンチ」という言葉を発声してもらい、言葉を正確に聞き取ることが出来るかどうかの調査をします。
結果は50人中18人が正解、さらに全員に通常の聴力検査をしてみます。正解した人の22%・正解できなかった人の47%が聞こえが悪いという結果になり、やはり不正解の方が圧倒的に難聴率が高いという事がわかりました。
声は母音と子音から成り立っていますが歳を重ねるにつれて子音を認識することが難しくなるようです。母音は低めの音、子音は高めの傾向がありますが、間違えた人のほとんどは「ペンチ」を「天地」や「ベンチ」と母音は聞こえるが子音は聞こえづらいという間違いが多く見られました。
難聴と認知症の意外な関係
耳鼻科の世界的権威「フランク・リン」博士によると、耳の聞こえが悪い事で脳の音を聞く部分が委縮してしまう事が最近の研究で解ってきました。この脳の音を聞く部分は音の他にも思考などをつかさどっている部位になりますので難聴で脳が委縮してしまう事が認知症に繋がるケースがあります。
639人の患者を11年間調査した「難聴の認知症危険度」の研究によると、軽い難聴で1.89倍・中くらいの難聴で3倍・重い難聴になると4.94倍に認知症のリスクが高まります。耳が聞こえにくくなると会話など脳のコミュニケーションが不足して認知症を発症してしまう事が考えられます。
難聴の早期発見法
1.ふいに声をかけられてると聞き取りづらい
2.人の名前(例えば加藤や佐藤)を聞き間違える
3.車の音がしてもどこから来るかわからない
4.小声は聞き取りづらいが大声は響く
どれか当てはまる項目がある方は難聴の恐れがあります、早めに耳鼻科に行って検査をすることが大事です。私たちの脳にはある程度耳が聞こえなくても、聞こえない音を補完してしまう働きがあります。音を補完されてしまう事で耳の聞こえが悪くても自分で気づく事は難しいので、少しでも思い当たるフシがある方は耳鼻科に相談した方が良いでしょう。
耳の毛を守る対策法
1.有酸素運動
2.長時間大きな音を聞かない
耳の毛が抜けてしまう原因として耳の血流が悪くなるのも原因の一つとなります、普段から有酸素運動で血流を正常に保てば鼓膜の毛も抜けにくくなります。またアメリカには「60:60セオリー」という言葉が存在します、連続して大きい音を60分以上聞かない・60%以上の大きい音量で音を聞かないという事が難聴を防ぐのには大切だそうです。
60:60セオリー
ヘッドフォンで60分以上聞かない
最大の60%より大きな音で聞かない
若年層の難聴は増加傾向:#ガッテン !「認知症を防ぐカギ!あなたの“聴力”総チェック!」 #nhkgtv— Ito, Akira (@F_Camel) 2017年12月6日
「補聴器」で難聴対策
補聴器というと全ての音を大きくしてくれるというイメージが強いですが、実は聞こえにくい周波数の音だけを大きくする調整を行う事で耳に対するダメージを防いでくれる役割をしてくれます。補聴器の調整は耳鼻科で検査を受けないと出来ませんが、最近では補聴器専門の病院などもありますので利用してみるのも良いかも知れません。、
<補聴器のポイント>
1.調整できていない補聴器をつけると少しうるさく感じる
2.調整していく事で3ヵ月ほどでだんだん耳が慣れてくる
3.専門の補聴器外来や補聴器相談医もオススメ
その他にも「人工内耳(じんこうないじ)」という人工的に鼓膜の毛を再生する手術もあります、保険が適用されますので症状によっては検討してみるのも選択肢の一つです。
感想&まとめ
以前放送された鼻の力の嗅覚もそうですが、聴覚も自分では衰えが気付きづらいようです。嗅覚の衰えも聴覚の衰えも身体に大きな悪影響を与えることが解ってきていますので、少しでもおかしいと感じたら病院で検査してもらう事が大事です。特に今回紹介された鼓膜の毛は抜けたら元には戻らないという事ですから普段からあまり大きな音を聞き続けないように注意したいと思います♪
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