皆さんは病院を選ぶときにどんな基準で病院を選びますか?
昔から住んでいる街であればなんとなくあの病院は評判が良いし、あの病院は悪いウワサがあるなど
判断材料が多くあるのであまり困らないかも知れません。
でも引っ越しなどで新しい街に移った時や、普段はあまり病院に行かないという方は
ネットで病院を検索して口コミなどで病院を選ぶことが多いと思います。
これからお話するのは私が実際に体験した口コミによる病院選びミスのお話です。
■先週から耳の調子が悪い
先週末に綿棒を使って耳掃除をしていた時に、ちょっと奥まで綿棒を入れてしまった瞬間、耳が詰まった感じがしました。
とりあえず耳抜きをしたら回復したので、少し様子を見ることにしました。
この1週間はそれほど耳に違和感を感じずに普通に過ごしていたのですが、おとといになって急に耳に違和感が…。
耳抜きをしてもすぐに塞がる感じがして、どうもスッキリしない。
自分の声が反響して頭もクラクラしてくる状態で、これは耳鼻科に行かないとマズいという事になったわけです。
しかしながら今日は日曜日、明日会社を休んで耳鼻科に行くしかありません。
■口コミで病院を選んでみる
普段は総合病院にしか行かない私ですが、予約なしでの総合病院の待ち時間の恐ろしさを知っている私はとりあえずすぐに行けそうな近所の耳鼻科を探すことにしました。
そしてネットで検索した結果、一番近い場所に2件の耳鼻科を見つけました。
・A病院はホームページも無いので良く内容はわからないけど口コミだけはちょっと数があって良い評判の病院
・U病院はちゃんとHPもあってなおかつ自動受付システムなどもあって良さそうだが口コミが全く無い病院
開院時間が早かったのもあって、とりあえず口コミの多いA病院に行ってみることにしました。
■A病院に行ってみた
開院時間に合わせてA病院に到着、外観はとても病院とは思えない、しいて言えば下町の工務店くらいの感じです。
引き戸を開けると昭和テイストの狭い待合室に5人ほどの先客が診察を待っていました。
受付では受付用紙のようなものでは無く、まさに紙切れに名前、住所、電話番号を書くように言われます、これは嫌な雰囲気がぷんぷんとします。
そうは思ってもすでに耳詰まりでかなり精神的にダメージを受けていた私は口コミを信じてそのまま受付をすませて自分の順番を待ちました。
待っている間にも次々と人が来るのでとりあえず大丈夫な感じがすると自分に言い聞かせていた記憶があります。
■昭和テイストあふれる病院と大正テイストの先生
30分ほど待って自分の順番がやってきました。
改めて診察室に入ると長椅子に座る数人の患者さん、改めて見回してみると古そうな医療器具と…!
そこにいた先生は80歳とも90歳とも見えるかなりご高齢の先生…
「昭和テイストじゃない…大正か?」もうヤバい感じしかしませんが口コミは良かったと自分を慰めて診察椅子に座りました。
自分の推測によると今回の症状は…
綿棒で耳垢を押し込んでしまった→鼓膜周辺に耳垢が溜まっている→耳垢を取る→スッキリ
という感じで終わると思っていましたが、ここからの診察が悪夢のはじまりでした。
■繰り返される聴力検査
先生「どうしました?」
私「先週に綿棒で耳を掃除していたら急に耳が詰まったような感じがして…」
先生「そうですか、とりあえず聴力検査をしますか」
えっ…?聴力検査?
基本的に耳が詰まった状態で聴力検査をしても悪い結果が出るのは当たり前の事で意味があるとは思えない。
そうは思っても先生が言うのであれば、ととりあえず検査室に入って検査を受けてみましたが、予想通り結果は良くありませんでした。
先生「結果的には良くないですね…では」
そう言って管上の器具を手に持ち鼻から挿入、耳には先にチューブのついた耳栓のようなもの
鼻から空気を送り、耳から吸い込む、いわゆる「耳管通気法」の施術を行いました。
先生「どうですか?」
私「とりあえず耳の通りは良くなった感じがしますが良くわかりません」
私も耳管通気法の施術を受けたのは初めてだったので、感覚的に鼻への違和感が大きすぎて耳が治っているかどうかが良くわからない状態。
先生「それじゃあ少し待ちましょうか」
診察室にある長椅子で少し待っていると、耳の通りが良くなった気がしてきました。
再度、診察椅子に呼ばれた時に
私「なんか耳の通りが若干良くなった気がします」
先生「もう一回検査してみますか」
えっ…?また聴力検査?良くなったって言ってるのに?
渋々ながらも検察室に座り検査を受けました。
それからしばらく待っていると
先生「〇〇の検査もしてみましょうか?」
だから検査じゃなくて診察してくれよ、お願いだから…
そんな心の声も虚しく、気の弱い私は3回目の検査に向かいました。
■検査の結果、下された診断は…突発性難聴?
先生「1回目の聴力検査ですがね、かなり結果が悪いんですよ。でも2回目は少し改善しました。」
だから耳の通りが良くなったって言ってるじゃないですか、検査しなくてもそれくらい解りますよ(心の声)
先生「それでもまだ結果が良くないのでこれは突発性難聴の疑いがありますね…」
えっ!突発性難聴…!
それは噂に聞く、あの早く手を打たないと聴力が全く無くなると言う原因不明と言われる病気…。
先生「とりあえず明日また来れますか?」
私「仕事があるのでちょっと難しいてすね…」
先生「それであれば他の病院でもう一回診てもらって、突発性難聴かどうか診断してもらってください。必ずそのお医者さんに「突発性難聴」の疑いがあると言ってくださいね。」
私「…ハイ、わかりました。」
ここで診察が終わるかと思いきや
先生「とりあえず液入れておこうか、今さらって感じもするけど」
と、看護婦に指示。
そこから耳垢を溶かす薬剤を耳に入れてしばし横になり、その間に院内にある器具で鼻と喉にスチームをあてました(悪いのは耳だっていってるのに…)
結局薬剤を軽く拭き取って診察は終了しました。
■意図が不明な処方箋、意味が解らない診療費
とりあえず薬を出されたのですが、感染症の薬と抗炎症の薬。
最近薬の勉強をしているので案外効能もわかるのですが、可もなく不可もなく飲んでも飲まなくてもあまり症状には影響が無い薬です。
そして会計となるのですが、かかった診療費は2,850円。
一番高いのは3回にわたって繰り返された聴力検査、3分の2は初診料と聴力検査です。
さらに処方箋の薬に650円かかりましたので、合計で3,500円となりました。
かかった時間は計3時間ほど、総合病院で待って診療を受けた場合とほぼ変わりません。
とりあえず耳に違和感を感じたままその日は眠りにつきました。
■耳が塞がったままの仕事、そして早退してU病院へ
翌日は仕事に出かけましたが耳に違和感を抱えたままの業務は通常の3倍ほど辛く、疲れも倍増状態でした。
とりあえず必要最低限な業務をこなし、耳鼻科に行くということで早退。
さすがにA病院に行く気はしなかったので、もう一つの候補であったU病院に行くことにしました。
会社の近くから予約の電話をかけてみると自動応対システム。
「現在の待ち人数は6人です、現在おかけの電話番号で受付番号7番でのご予約を承りました。」
スゴい!まさに合理的かつハイテクな感じがする。これは論理的かつ効率的な治療が受けられるのでは?
この辛い状況から早く脱出できる一分の望みをかけて足早にU病院に向かいました。
■見た目も素晴らしい、U病院
雑居ビルの4FにあるU病院。
受付もしっかりしていて待合室にも十分なスペースが確保されています。
診察室と待合室の間にも扉があり、プライバシーにも十分配慮された構成。
さらに受付ではタブレットを渡されて、選択方式で症状を入力していきます。
昨日とのあまりのギャップに選択ミスという後悔の念がすでにあふれてきました
■スピーディな診察と治療
30分ほど待って診察室へ入りました、とりあえず状況を先生に伝えます。
私「一週間ほど前に綿棒で耳掃除をしていたら耳が詰まった感じがして、日曜日からさらに詰まったような感じになったんです。昨日耳鼻科に行ったら突発性難聴の疑いがあると言われたんですが。」
先生「とりあえず診てみますか」
両耳をカメラで軽く診察、そして右耳を観た瞬間。
先生「鼓膜の手前に耳垢が溜まっていますね、とりあえず取りますか。」
そう、そうなんです。それを取って欲しくて昨日から耳鼻科に行ってるんです!
それから耳垢掃除開始!右耳に暖かい液体を流し込み耳垢を取りやすくします。
そして、細いバキュームでピンポイントに耳垢を吸い出していきます。
吸い出すほどに耳の詰まりがどんどん解消されていき…全て取り終わったときにはこの上ない開放感があふれてきます。
私「耳の詰まった感じがなくなりました!」
先生「とりあえず心配ならば聴力検査でもしてみます?大丈夫だとはおもいますが。」
私「いや、大丈夫です。しばらく様子を見てから聞こえ辛いようであればまた来ます」
それはそうです、原因が耳垢だったことは自分の推測にも合っていて、耳垢が奥に詰まったタイミングと突発性難聴が重なる割合を考えたらまずありえません。
私「ありがとうございました」
治療はおよそ10分程度、昨日の3時間は何だったのかと深く後悔する私。
開放感と嬉しさで診察室を出た後、お会計も耳掃除の1,300円で済みました。
■口コミを書こうかな?と思わず考えてしまった
昨日とのギャップがあまりにも激しかったU病院での体験。
これは多くの人にこの喜びを伝えたい!早速口コミを書こうと思い、スマホを取り出しました。
イヤ、待てよ…。
この病院の良い口コミを書く→それを見て多くの人が来院する→待ち時間がとんでもないことになる
せっかく見つけた良い病院。
そんなことになったら次に来た時には待ち時間が長くなってストレスになる。
というわけで…
口コミは書かないことに決めました。
そうなんです!実際に良い思いをすると人はをれを隠して自分だけの情報として秘めておきたい心理が働くものなのです。
■結論&まとめ
結局、口コミがあるかないかは病院を選ぶ判断材料としてはアテにならない事を身をもって感じました。
良い病院を選ぶコツとしては
・ちゃんとしたホームページを作っている
・受付や対応がしっかりしてる
・プライバシーへの配慮を感じられる
この3点で選べばとりあえずハズレを引く可能性は少なくなるであろうという結論に落ち着きました。
また、入った瞬間に嫌な予感がした段階ですぐにでも病院を去る勇気も必要だとも今回の出来事で学びました。
皆さんも口コミなどに騙されずに良い病院を選んで、自分の健康をしっかり守ってください。